武道の振興・普及

愛知県(名古屋市)地域社会柔道指導者研修会

期間 平成22年8月27日(金)/11月19日(金)
場所 愛知県武道館
参加者 30名(8/27) 27名(11/19)
派遣講師 山崎俊輔(財)全日本柔道連盟中学校武道必修化対策委員、甲南大学教授

概要

 本研修会では県教育委員会が主催に加わり、参加者募集ほか運営実施に多大の協力を戴いた。また会自体も参加者への便宜として、同じ内容の研修を期日を離して1日ずつ年度で2回行うという初の、また意欲的な試み。(派遣講師も同一人)

 初日は開講式から会場内会議室で行われ、式後、山崎講師による講義「指導要領改訂による武道 指導者のあり方について」から始まった。講師は、柔道の略史、嘉納治五郎個人史などをたどり、 その中で、柔道が持っている教育的内容や価値に触れた。また豊富な海外経験で得た知見を織り交 ぜながら、世界や各国柔道界の現状・柔道観、その地の柔道家の練習・生活態度なども紹介した。 巨視的な話の中でも、例えば指導者の態度として力を入れ過ぎても抜きすぎてもダメと現実的な内 容も加えた。講義は1時間弱で終わり、全員柔道着に着替え、大道場に移り、早速実技に。 自然体、立ち方、歩き方から始まり、2人1組で技に発展しない崩し方、受け身へ進んだ。生徒は頸 の力が弱いと、仰向けに寝たまま両手を打つ最もソフトな形の受け身から始め、顔を起こして、しゃ がんだ姿勢から、立った姿勢から、立ったまま後退しながらと徐々に強度を上げていった。単調な 動作に生徒が飽きてきたら、向かい合って「フェイント押し相撲」で倒れたら正確に後ろ受け身をと るなどの工夫も紹介し、黙想の仕方をあらためて説明しながら午前中を終えた。午後は、受け身練習 法のバリエーションから始まった。ここでもうつ伏せの相手の上に腰をおろし、下の者が回転する のに応じて後ろ受け身をとる簡単なものから始めるなど、“投げる”“投げられる”に不慣れな一般 生徒をいかに恐怖心無く、安全に柔道へ導くかという視点で一貫して指導された。受け身、体ばさき、 崩しを学んでいく中で、徐々に技につないでいく巧みな方法で、膝車、体落とし、支え釣り込み足に誘導して いったが、合間に安全のため引き手は最後まで離さない、引かば押せ押さば引けの原理で相手の 力を利用する、指導はあまり教え過ぎず当人に考えさせる余地を与えるなど細かな指示が与えられ た。最後は教わった技のみを使って自由練習(乱取)。後半は、大腰、大内刈り、大外刈りなどより大きな技に移り、 内容も顔の位置によって体全体の姿勢が決まってくる頸反射など、随所により高度な内容を盛り込 み、最後は抑え技を実習し実技を終えた。参加者は約半数が七段を最高位に有段者、残り半分が初 心者で専門も器械体操、アメリカンフットボールなどだったが、皆熱心に受講し内容が次第に技ら しい動作になりそれが決まると喜びにあふれた笑顔がそこここで見られた。

 第2回も基本的に同一内容で行われ、山崎講師より「安全に考慮した授業展開と、稽古の始めと終わりに行う相手に対しての心をこめた礼の実践」が参加者に求められた。