武道の振興・普及

茨城県(水戸市)地域社会剣道指導者研修会

期間 平成23年5月22日(日) 1日開催
場所 茨城県武道館
参加者 30名(男子20名、女子10名。中学校保健体育課教員は男子13名、女子6名)
派遣講師 佐藤義則教士八段、有田祐二錬士七段

概要

 いよいよ来年度より中学校武道必修化が始まる。今回の研修会は武道必修化を目前に控えていることもあり、熱のこもった指導が展開された。
冒頭、佐藤講師は挨拶の中で剣道上達に重要な三つのポイントを説明した。
それは①恥ずかしがらず
②大きな動作で
③大きな声で
の三点である。今回は剣道経験のない子どもへの指導法を主眼としており、子どもが剣道嫌いにならないよう授業で工夫することの重要性を説き、遊びを交えた剣道指導からスタートした。その後は礼法、防具の身につけ方、掛け声にあわせての面の打ち込み等を行った。佐藤講師が繰り返し強調していたのは、如何にして剣道らしさを分かりやすく楽しく子ども達に伝えるかということであった。
 午後の指導の冒頭では、剣道の3大要素である、気・剣・体の説明を行った。すなわち、掛け声・打ちきること・体勢である。それらを踏まえ、応用の分野に移ってゆく。一定時間内に何回有効打突を取れるか、相手の動きに応じた技の練習、最後は試合形式の練習を行い、研修会は終了した。今回、受講者の半数以上が剣道経験者であったが、未経験者も終始笑顔で研修に取り組む様子が見られた。
 今回の研修会で特に印象的であったのが、遊びを交えての剣道指導である。新聞紙を木刀で両断したり、丸めた新聞紙を一人が投げてもう一人が木刀で打つといった子どもが楽しめる遊びを取り入れ、剣道に慣れ親しんでもらおうとするものである。受講者は皆笑顔で取り組み、気持ちも体も大分ほぐれた様であった。
 来年度武道が必修化されるが、武道に対しネガティブなイメージを持っている生徒も少なからずいることが予想される。そうした生徒に対する指導法として今回の佐藤講師の指導法は大いに参考になるであろう。