武道の振興・普及

岩手県(盛岡市)地域社会合気道指導者研修会

期間 平成23年7月9日(土)・10日(日)
場所 岩手県営武道館
参加者 76名(高校教員2名を含む一般合気道修行者)
派遣講師 植芝充央本部道場長補佐、日野皓正四段・本部道場指導員

概要

 岩手県での中学校武道必修化特化合気道指導者研修会は昨年に続き2回目の開催。現職中学校保健体育教諭の参加はなかったが、地元合気道修行者や、教職課程履修中の岩手大学合気道部員らが参加。また、東日本大震災で被災し、避難所から来たという参加者もいた。
 研修は、合気会の植芝充央合気道本部道場長補佐が主となり、未経験の初心者にどう指導したらよいかに主眼を置いた実技指導を行った。そのほか、中学校で合気道を体育授業で実施するにはどうしたらよいか討議する時間も設けられた。

 はじめに植芝講師が、合気道初心者にありがちな身体の反応を例に示しながら、怪我をさせずに、わかりやすく初心者に指導する方法を解説。受身も、畳に片膝をついた姿勢から始め、徐々に通常の立ち姿勢からの受身、足捌きや体捌き、基本技(四方投げや隅落としなど)と流れをつくって指導すると受身を覚えやすいと、解説を交えながら実技研修を行った。
 その後、地元講師が地元の子どもを見本に受身の指導例を紹介したあと、最後に植芝講師が応用技の指導を行った。
 最後に、5班に分かれ、中学校武道必修化について岩手県内の現状や今後の課題、必修化実現の方法など意見交換を行い、

  • ○大学の合気道部員が少ない。教職課程(保健体育教員)をとる合気道部員はもっと少ない。
  • ○教育関係者(学校関係者)への合気道理解度があまりないのではないか。
  • ○道場数が少ない、大都市でしかみかけない。認知度が低い。
  • ○試合がないので、中学生程度の年代にわかりやすい目標がないのでは。
  • ○合気道はほかの種目(柔道など)にくらべて外部への自己宣伝が足りないと思う。
 
  •  といった意見が述べられたほか、中学校武道必修化に向けて、
  • ○時間数が少なくても、技だけではなく、精神的な要素を指導できる指導者を育てるべき。
  • ○護身術的な要素に絞り込めば、中学生(特に女子)には興味が湧くのではないか。
  • ○保体教員に合気道経験者を増やすのが、地味ではあるが確実。

などの発言があって研修会を終えた。