武道の振興・普及

兵庫県(姫路市)地域社会少林寺拳法指導者研修会

日程 平成28年1月30日(土)・31日(日)
会場 兵庫県立武道館
参加者 47名(中学校・高等学校・部活動・外部指導者関係14名)
派遣講師 川島 一浩 正範士 七段(一財)少林寺拳法連盟理事
合田 雅彦 正範士 七段(一財)少林寺拳法連盟
中学校武道必修化プロジェクト委員
地元講師 木村 惠昭 正範士 七段
金澤 智章 大拳士 五段

概要

 兵庫県では、少林寺拳法指導者研修会は過去3回実施されているが、中学校武道必修化特化型研修会ははじめて。
 初日午前中は合田雅彦講師より、中学校武道必修化についての講義が『中学校保健体育 少林寺拳法指導の手引』や合田講師が自分で用意した資料を基に実施された。
 授業は楽しく、ケガをしないように安全に実施することが大切であり、興味のない子どもにも指導するため、技術は求めなくても良いと言及し、自分の体験を交えながら講義を進めた。
 午後は、指導法の実技を実施。最初に礼について、少林寺拳法の礼は合掌礼であることと結手、正座は他武道、特に柔道、剣道は左座右起だが、少林寺拳法は逆に右から座ることを説明した。
 基本の構えと突き・蹴りの指導法を行い、連続してやるのではなく、一つ一つ分解して、初心者でも分かりやすいようにすることが大切だと説明。その後二人組みになり、対人稽古のときは十分に間合いを取り、怪我がないようにすることを説明し、間合いの取り方を指導した。
 次に二人組を8組作り3グループに分け、グループ毎に号令者を決めて、団体演武の練習を行った。30分間の練習を行った後、各グループで団体演武を発表し、全ての演武終了後みんなでどのグループが一番上手だったかを評価した(プレゼン評価)。
 最後は相対練習をし、初日は終了した。
初日は中学校武道必修化に特化した内容に対し、二日目は部活動や地域社会(道院)に対しての指導法を実施。合法、柔法の練習、力のかけ方、逃がし方を練習・指導した。

当身の五要素:①位置、②間合い、③角度、④速度、⑤虚実

柔法の投の系統:①逆小手系、②S字系、③小手投系、④逆小手系、⑤コの字系、⑥天秤系、⑦閂系、⑧木葉系

 最後は川島一浩講師、合田講師による質疑応答を行い、研修会は終了した。

参加者の声:今までのように自分のための研修ではなく、中学生(未経験者)を相手にすることを考えてやることは、新たな発見でした(中学・高等学校教諭・男性)。年間の授業時間が約10時間しかなく、また体育教師や教員免許が無いと授業が出来ないのでは中学校で少林寺拳法の授業をするのは困難だと思われる。なぎなたは兵庫県伊丹市が発祥の地であり、伊丹市教育委員会が力を入れて、市内の中学校の授業に取り入れられていることからすれば、多度津町または香川県が力を入れるように本部が働きかける必要があると考える。また、特別非常勤講師制度を活用し、教員免許なしでも指導が出来る道をさぐるとか、少林寺拳法の良さである、他人と競争するのではなく自身の成長を喜べるような授業を期待する。さらに、道場は興味がある子供を教えるが、興味もない子どもにいかに楽しく学ばせるか、といったやる気を起こさせるテクニックの研究が大切であると痛感した(地域指導者・男性)。少林寺拳法の中学校武道必修化における実態が意外に厳しいことが分かりました。教師を目指しているので、今回学んだことが活かせたらいいなと思います(大学生・女性)。合田先生、川島先生の直接指導は、具体的でとても分かりやすくて良かったです。今は病院で看護師をしていますが、近隣の中学校などでボランティアでも外部指導者として役に立つことが出来ればと思います(女性)。中学校指導の際、遠間で突き、蹴りすることが効果的だということが学べました(高校教諭・男性)。