日本武道館について

日本武道館について

創建の目的

日本武道館創建の目的は、我が国伝統の武道を、国民とくに青少年の間に普及奨励し、武道による心身の錬磨を通 じて健全な育成を図り、民族の発展に寄与するとともに、広く世界の平和と福祉に貢献することにあります。

沿革

富士山の裾野を引くような流動美の大屋根に武道の精神を表徴して、日本武道館は壮麗雄大な姿を皇居・北の丸の杜に現わしています。この日本武道館は、武道を愛好する国会議員各位の熱意と、政府、財界並びに国民の総意による力強い支援によって創建されました。建設は、天皇陛下の御下賜金のもと、国費と国民の浄財およそ20億円をもって、1963年(昭和38年)10月に着工、工事期間わずか12ヵ月、関係者の昼夜を分かたぬ奮闘によって、1964年(昭和39年)9月、世界に誇る日本武道の大殿堂が見事に完成しました。そして、同年10月3日、開館式の後、天皇皇后両陛下をお迎えして「演武始めの儀」が弓道、相撲、剣道、柔道の順で行われました。

第18回オリンピック東京大会では、初めて正式競技に採用された日本の国技・柔道の競技会場として、世界各国からの選手と観衆を集め、世紀の熱戦が連日展開されました。また、我が国伝統の武道である剣道、弓道、相撲がデモンストレーションとして各国武道関係者の前で披露されました。以来、日本武道館は、設立の趣旨に沿い、青少年武道錬成大会や武道指導者講習会など、種々の武道振興普及事業を行っています。また建物は、青少年の心身錬磨の大道場として各種武道大会に使用される一方、公益的な使命をもつ国家的な諸行事にも広く活用されています。

完成後、柿落としの催事として開催された第18回オリンピック東京大会では、国内外の大きな注目を集めて柔道競技が盛大に実施され、大規模競技施設としての評価を高めました。以来、日本武道館は設立趣旨のもと、正しい武道を普及して青少年の健全な育成を図るため、中央・地方の各地で小、中、高校生を対象に柔・剣道をはじめ各種武道の錬成大会の開催、優秀な指導者づくりのための研修会や講習会、古武道保存のための事業並びに外国人を対象とする国際セミナーなどを企画実施しています。
これらの事業を推進する一方で、1966年(昭和41年)4月に日本初の武道の専門学校として武道学園を設置して、直接、武道指導者の養成と青少年の実技指導を始めました(その後改組して、現在は小中学生・社会人向けの武道教室として運営)。また1971年(昭和46年)8月には千葉県勝浦市に武道研修施設として、1,000畳敷の大道場と280名収容の宿泊室を完備した日本武道館研修センターを開設し、広く武道修業者の利用に供しています。

また、武道に関する医・科学研究と歴史的・文化的研究を促進する観点から、国際武道大学、日本武道学会などの学術的な調査研究活動を支援しています。

広報活動の面では、主に全国の武道指導者を対象に「心技体 人を育てる総合誌」のキャッチフレーズのもと、月刊『武道』を発行し、武道指導者の資質・指導力向上の手助けとなる特集記事や連載物に、各道の活動状況、ニュースなど多岐にわたる誌面づくりを行って、武道振興の役割を果たしています。

教育文化事業としては、武道に関わりの深い伝統文化である書道の事業を展開し、青少年の健全育成と国民の豊かな心情を養うことを目的に、書初め席書大会、書写 書道公募展、指導者講習会等を開催しています。さらに、生涯学習の視点から、書写書道の専門誌として、誌上競書はもとより、書道史、書道理論を含めた総合誌月刊『書写 書道』を発行しています。

武道の国際的事業として、日本武道館では国内においては在日外国人武道修業者を対象とした国際武道文化セミナーを毎年3月に日本武道館研修センターで開催し、国外に対しては、年一回、武道9種目と古武道3流派の約70名からなる日本武道代表団を編成して派遣し、世界各地で武道の技と心の真髄を披露し、同時に武道関係者との交流稽古を行うなど、武道を通して国際交流と友好親善の促進に寄与しています。

協力組織

日本武道館は、武道の正しい普及振興を図るため、協力組織として、1968年(昭和43年)に武道の学術的理論的究明を目的とした「日本武道学会」の設立を提唱、同じく1977年(昭和52年)には我が国の武道中央統轄団体の統一組織として「日本武道協議会」の設立を提唱、同協議会が10周年を迎えた1987年(昭和62年)には武道各道に共通 する基本的指針である「武道憲章」を制定して発表しました。また、同協議会設立30周年記念事業として、2007年(平成19年)武道の歴史、組織、事業等を網羅した『日本の武道』(B5判524頁)を刊行、全国の中・高・大学、都道府県市区町村の教育委員会、同・公立図書館、在外日本大使館等へ約2万部を無料配布しました。

このほか、1979年(昭和54年)に古武道の保存継承を目的とする「日本古武道協会」を設立、続いて1981年(昭和56年)に地方における武道の振興奨励の事業主体となる「全国都道府県立武道館協議会」を結成して、全国的な武道振興体制を確立し、青少年武道錬成大会、地域社会武道指導者研修会を年間100ヵ所で開催するなど、全国的な事業の推進を図っています。
さらに1984年(昭和59年)4月には、日本武道館が中心となって武道を建学の精神とする「国際武道大学」の創設を提唱し、開学に至り、武道精神を基調とする国際的な教養を身につける人間教育を行っています。
日本武道館は、これらの協力団体と連携と協調体制を密にしながら、各種の武道普及振興活動を推進しています。

関連協力組織一覧はこちら

施設利用業務

日本武道館の大道場及び小道場は、各種武道の全国大会等の会場に優先して提供し、その他、スポーツ・社会・教育・文化・芸能・産業振興等の大会、行事、催物等の会場として広く一般の利用に供し、効率的な運営を図っています