武道の振興・普及

富山県(富山市)地域社会合気道指導者研修会

期間 平成24年12月1日(土)・2日(日)
場所 県営富山武道館
参加者 59名(教員参加1名 中学校保健体育科教員の参加なし)
派遣講師 菅原  繁  七段(合気会指導部長補佐)
徳田雅也  二段(合気会指導部指導員)

概要

 研修会は、富山市近辺在住の合気道修行者約60名の参加を得て実施された。指導は菅原講師と地元の島講師が受け持ち、まず菅原講師が指導を行った。
 午前中は体を温めるための準備運動、転換動作を行い、続いて呼吸法からの投げ、四方投げを行った。菅原講師からは、受け身は大きな音が出るよう畳をしっかり叩き、衝撃を分散させるよう指導があったほか、合気道は螺旋の動きが多いので、それを意識して体を動かすよう参加者に求めた。
 午後は菅原講師による中学校武道必修化向けの指導が行われた。まず、簡単な講義を行い、授業の際は、体育館に畳を敷き、上座、下座を作る、挨拶を行うなど、礼儀についての指導をしっかり行うよう要請があり、菅原講師は「礼儀を伴わない合気道の授業は行う意味がありません」と語った。その後、実技指導として、受け身の段階的指導になり、
①体育座りから後ろに転がる
②体育座りから足を折りたたんで転がる
③膝立ちから転がる
 という順番で行った。その理由として、多くの中学生は首の力が弱く、段階を経ずに後ろに転がると頭を打ちやすいので、段階的に練習を行う必要があると解説があった。
 受け身の後は対人技能の指導になり、角落し、小手返しを行った。指導のポイントとして、
○一つひとつ順番に動作を行う。
○初めのうち、取り(技をかける側)が受け(技をかけられる側)に技をかけるときは、技の形を作るに留め、受けに自分から受け身を取らせる。
○技の習熟度が上がってきたら、取りが受けの腕をしっかり掴んで技をかける。
○小手返しで手を捻ることを教えると、講師の号令に従わず、勝手に手を捻って怪我をする可能性があるので教えない。
といった点が挙げられた。
 そのほか、様々な対人技能の練習を行い、二日間の研修を終えた。
 12月ということで道場内の冷え込みは非常に厳しかったが、参加者は額に大粒の汗を浮かべながら熱心に練習に取り組み、寒さを感じさせない熱気あふれる研修会となった。